妊活中の「冷え」の影響とその改善策
薬剤師 漢方カウンセラーの森田恵美です。
季節を問わず年中「冷え」のお悩みを多く耳にします。私もその一人です。
「冷え」は妊活に良くない、とよく聞くことがあると思います。
確かに、冷えは不妊に多く見られる原因となり、万病の元となると言われています。
身体が冷えることで血液の巡りが悪くなり、臓器に栄養や酸素を与えられずに老廃物が溜まっていくので臓器の機能は低下しますし、ホルモンバランスも崩れます。
下半身は上半身に比べて冷えやすく、子宮・卵巣は身体の中で最も冷えの影響を受けやすいので、妊活中の方は下腹部の冷えは特に注意してください。
こんなふうに言ってしまうと、妊活中に慢性的に冷えを感じられている方は不安に感じてしまうかもしれませんが、冷えを感じながら妊娠される方も大勢いらっしゃいます。
しかし、より妊活をスムーズに進めるためにも、また、ご自身の健康のためにもできることがありますので、ご紹介させていただきますね。
冷えの自覚症状、ありますか?
全身が冷える、または体温は普通なのに手足や腰など部分的に冷たさを感じるものもあります。
また、冷えの自覚が無くても、職場などの冷房に疲れてしまったり、下痢を繰り返す、トイレが近い、寒い所でお腹が痛む、生理痛がひどい、といった症状がある方は実は冷えから来ている症状の可能性があります。
こういった症状がある方、その予備軍さんも、ひいては健康に生活したい全ての方は「冷え」に注意した生活を送られると良いですね。
どうして「冷え」てしまうの?
現代は冷房の効きすぎ、身体をあまり動かさない、ダイエットなど身体を冷やす要素が沢山あります。
また、女性は筋肉量が少ないので熱の産生が出来ずに、どうしても男性よりも圧倒的に冷えに悩んでいる方が多いです。
冷えには様々な原因が考えられますが、中医学的な観点では「エネルギー不足」「気血の不足」「血行不良」「水の停滞」などが多く見受けられます。
漢方や養生で体質を改善されることで同時に「冷え」の症状が改善されることは多く、体質の変化の大きな目安となります。
「冷え」を改善する生活とは
冷えている部分を温めることで、その時感じている「冷え」を取り除くことは可能なのですが、「冷えない身体」になることはできません。
「冷えない身体」になるにはエネルギーを生み出し、血を隅々までめぐらせ、水が溜まらないようにすることが必要となりますが、日々の生活の中ですぐに対応できることがあります。
今日からできる対応としては、内側から温めて、外からの冷えをガードしていくことがお勧めです。
以下、具体的な注意点を挙げてみます。
身体を冷やす食べ物に注意する
冷たいもの、生もの、は身体を冷やします。
また余分な水分は体内で停滞し、冷えを招くことになります。
常温以上の物を口にするようにして、胃腸を温める生姜やネギやシソを積極的に取り入れましょう。
血が足りないタイプにはレバー、羊肉、ニンジン、ヒジキ
月経痛が重いなどの血行不良タイプには納豆や青魚、玄米、ダイコン、ニンニク、長ねぎ
なども併せて取り入れると効果的です。
過剰な冷暖房は控える
外気との差が10度以上あると自律神経のバランスが崩れやすくなります。
冷房は高めの温度に設定する、直接冷気に当たらないなどして上手にお付き合いしていきたいですね。
公共の場での温度設定は難しいかと思いますので、調節できる衣服で身を守りましょう。
足元を温める
冷えは足元から、腰、太もも、下腹部と順々に上がって、最終的には身体全体を冷やしてしまいます。足湯でリラックスすることは身体全体を温めますのでとても効果的です。
湯船にゆっくりつかる
夏場でも身体は冷房によって冷えきっています。38〜40℃くらいのぬるめのお湯でゆっくり半身浴がオススメです。身体が芯まで温まります。
適度な運動
筋肉を増やし、熱産生量が高まります。
軽いストレッチやジョギングなど日常生活の中のちょっとした場面で取り入れられると良いですね。
スクワットは効果的に筋肉量を増やせるのでオススメです。
おわりに
日々お忙しい生活を送られている方も多いかと思いますので、まずはできることから取り入れてみてください。
過度な負担もまた一つ、万病の元です。
実生活に即したアドバイスと漢方のフォローで体質改善のお手伝いとなれれば幸いです。
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