妊娠のための最重要検査 「卵管が通過しているか」
妊娠のための最重要項目は大きく3つあります。
【男性側】
・精子があるか
【女性側】
・卵管が通過しているか
・排卵しているか
の3つです。
これらが一つでも該当する場合、自然妊娠することは極めて困難になります。
その中でもとても重要なのが卵管の通過性です。
卵管とは
子宮(左右両側)と卵巣をつなげている管を卵管と呼びます。
卵管は卵子と精子の通り道であり、出会って受精する場所になります。
卵管が塞がっているという場合には、当然精子と卵子が受精することがありませんので、自然妊娠することはできません。
そのため、通常では体外受精の適応となります。
(もともと体外受精は、何かしらかの理由で、卵管が詰まってしまっていて、精子が卵子に出会うことができないという方のために行われてきた治療です。)
卵管が通っているかどうかは自覚症状があるわけでもなく、セルフチェックで確認することはできませんので、医療機関で検査を受けることが必要となります。
子宮卵管造影検査とは
卵管の通過性を確認するために行われる検査が子宮卵管造影検査(HSG)です。
子宮から造影剤を流し込み、レントゲンを取ることによって、左右の卵管の通過性はもちろん、子宮の形などを確認することが可能です。
子宮卵管造影検査を行うにはレントゲンが必要となることから、すべての病院で実施しているわけではないので、検査を希望する方は事前に病院に問い合わせしましょう。
卵管が詰まる人は増えている?
卵管の通過性が悪くなる原因の一つとして考えられるのが子宮内膜症の増加です。
子宮内膜症は、卵管や卵巣、腸管、子宮など骨盤内の臓器同士の癒着を起こしてしまいます。
こうした妊娠に重要な役割を担う臓器が癒着を起こすと、卵巣が卵の放出や、卵管への卵の取り込み(ピックアップ)、卵管の働きに支障を生じさせてしまい、不妊症へつながると考えられています。
子宮内膜症は月経のある女性の10人に1人が発症すると言われており、年々増加傾向です。
自覚症状としては月経痛と言われています。
月経痛を我慢するのではなく、かかりつけ医や専門医に相談できるようにしておくことが将来の不妊を防ぐことにも繋がります。
子宮卵管造影って痛いの?
子宮卵管造影検査は、子宮から造影剤を流し込み左右の卵管の通過性を確認する検査です。
子宮卵管造影について調べているとだいたい出てくるのが痛みに関するものです。
「子宮卵管造影って痛いの?怖い」
「激痛で気が遠くなるようだった」
昔は手動式で行うものが多く、激痛を伴うことで知られていましたが、現在は機械式なので以前に比べて痛みは大幅に軽減されていると言われています。
ただし、痛みは個人差があるものなので、全く痛くない検査、というのも語弊があります。
痛みを感じる場合は、少なからず卵管に詰まりかけているような状況とも言えます。
ネットの情報に踊らされず、主治医の先生とよく相談をして検査をしていきましょう。
子宮卵管造影後に妊娠しやすいってほんと?
子宮卵管造影に関する口コミなどで、特に目を引くのが「子宮卵管造影で妊娠しました」という内容ではないでしょうか。
子宮卵管造影は検査であるため、それが妊娠につながることは本来考えにくいのですが、実はこれは本当に起こり得ます。
というのも、軽度に卵管が狭まっているというような場合には、この検査を行うことによって、それが解消され、むしろ卵管の通りがよくなり、環境が改善されることから、
検査前に比べて妊娠しやすくなることが報告されています。
そのため、子宮卵管造影検査後の6ヶ月間は「ゴールデン期間」とも言われ、自然妊娠にチャレンジするには絶好の機会となります。
検査をして異常がないという場合には、ぜひチャレンジしてみましょう。
卵管の通過性の検査は、女性側の不妊原因の検索をするうえでの一丁目一番地とされています。
そして医療機関でしか確認ができない内容です。
セルフチェックを始める前に、まずはかかりつけ医や不妊治療施設で、不妊原因がないか調べてみることが大切です。