こんにちは。薬剤師、国際中医専門員の住吉 忍です。

今日は、多くの方からご相談いただく「月経不順」に対して、漢方でどのように対応するかをご紹介さしあげたいと思います。

月経周期は、個人差はあるものの通常26日から35日の範囲が望ましいと言われています。

まれに、3ヶ月に一度の周期など、不規則な方もいらっしゃいますが、妊娠を望む場合、チャンスが減ってしまうことになりますね。

初潮の頃は周期が不安定な方も、成人する頃には、ホルモンバランスが安定し、個々の周期が整ってくることが多いです。

ただ、「ホルモンバランスの安定」と書いたように、ホルモンのバランスが乱れてしまうと、月経周期も簡単に崩れてしまいます。

女性のホルモンバランスはとても繊細で、大きなストレスがかかった時、急な体重の増減、風邪などの体調不良でも、ホルモンバランスは崩れ、月経不順に繋がります。

また、生まれ持った体質によってホルモンバランスを整えることが苦手な方、加齢の影響がある方など、月経不順の原因は人によって異なります。

漢方で月経不順の訴えがあった場合、その原因を探り、正しい順序で身体の機能を回復させていきます。


中医学的な見方の例として、3つご紹介しますね。

  1. 急激なダイエットをした場合、気虚(エネルギー不足)、血虚(血が足らない)、陽虚(熱を生む力がない)という不調を招きやすく、周期が長くなりやすい傾向があります。
  2. 大きなストレスがかかった場合、気滞(エネルギーの滞り)、肝(自律神経を司る臓腑)の不調を招き、周期が長くなる傾向があります。また不正出血を招くこともあります。
  3. 加齢の場合、腎(生殖機能を司る)の不調で、低温期が短くなり、全体としても周期が短くなることが多いです。*未成熟卵での排卵が増えます。

つまり、「月経不順」は、それ自体が問題になるのではなく、「卵の質や成熟に関わる不調を示す指標」として考えることができます。

そのため、起きている不調を改善させることで、自然に周期は整ってきます。

現状の漢方相談では、3の加齢に伴う腎の不調で、生理周期が短くなっている方のご相談がとても多いです。

このケースの場合、その方の体質にあった補腎剤(腎を補う処方)を使うことで、腎の働きを助け、周期も伸びてくることが多いです。

こちらは、年齢に伴い症状が進みますので、でき出来る限り、早めの対応が望ましいです。

「以前に比べると、月経周期が短くなってきたな。。」

と、感じることがありましたら、早めにご相談にきていただけると嬉しいです。